身照寺のしだれ桜
世界の暗い話題が多い中、岩手県民(国民も?)にとって、先月から明るく元気をもらう話題が連日のように流れています。海の向こうでは、メジャーリーグ開幕より大谷翔平選手の活躍ぶりが、国内のプロ野球界では、先月記録ずくめの完全試合を達成した、「令和の怪物」ロッテの佐々木朗希投手の話題が流れていることは、本当に嬉しいことです。また、佐々木朗希投手の一言で、地元のローカルな調味料が完売してしまったり(実は同じ岩手県民でも知りませんでした…💦)、三陸沿岸、特に出身地の陸前高田市には、県外からの若いお客さんも増えているようです。コロナ禍において、いろいろ気を付けなければならないことも多いとは思いますが、地元にとって注目されることは、喜ばしいことには違いありません。他にも活躍を期待されている選手はおりますが、併せて応援していきたいと思います。
と、前置きが長くなってしまいました(笑)。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(「農業芸術概論綱要」より)と、願った童話作家で詩人の宮沢賢治は、ご存知のように我が花巻市の出身です。その宮沢賢治の菩提寺「身照寺」は、しだれ桜の名所でもあります。
お墓があります「日蓮宗 身照寺(しんしょうじ)」は、賢治が教鞭をとった花巻農学校跡地の「ぎんどろ公園」(賢治が愛した、ぎんどろの木があることからついた名称)の近くにあり、狭い石段を登ると本堂があります。
身照寺を開いた南部家によってお手植えされた、山梨県の日蓮総本山身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ…しだれ桜で有名)の姉妹桜が、見事に咲き誇ります。見上げるほどの大木に薄ピンクの桜の花々が、とても優美です。桜が開花している時期は、ライトアップもされ、その美しい姿に神々しさも(お寺なのに(笑))感じます。また、身照寺の人気の御朱印帳は、賢治と銀河鉄道のイラストが描かれていて素敵です。何冊かを縦横に並べるとイラストの銀河がつながって見えるという粋な計らいも。何人か大切な方と購入されるのも良いかもしれませんね。絆が深まるような感じがしませんか。
賢治ゆかりの寺ということもあってか、合格祈願、勉学向上など、受験生のパワースポットにもなっているようです。
本堂裏の奥には、宮沢家のお墓と共に、賢治のお墓があり、生花が尽きることはありません。世界全体の幸せを願った宮沢賢治は、現在のこの世界情勢をどのように見ているのだろうかと思いながら、先日お墓に手を合わせてまいりました。
毎年、9月21日の命日には、宮沢賢治忌墓前法要が行われます。見ていただきたい桜の季節は終わってしまいましたが、命日までには、コロナが収束し、宮沢賢治ファンの皆さんが参列できるようになっていると良いなぁと思います。そして、宮沢賢治が願った幸福を祈りたいと思います。