かもめの玉子パン

岩手のお土産と言えば…何を思い浮かべますか?

岩手のお土産ベスト10に入っている「かもめの玉子」を製造販売している三陸の老舗さいとう製菓(大船渡市)と、老舗のパン製造会社の白石食品工業(盛岡市)がコラボした商品「かもめの玉子パン」が、現在期間限定で(10/31まで)、東北6県のスーパーやコンビニエンスストアで販売されています。

味の元となっている三陸銘菓「かもめの玉子」は、三陸の大自然を飛び回るカモメの卵をモチーフにし、黄味あんをカステラで包み、卵形に焼き上げ、ホワイトチョコレートでコーティングされた、しっとりとほくほくした黄味あんの食感も美味しいお菓子です。その味をパンにしたらどうなるか…、クリームパンかなと思いながら食べてみると「あっ!かもめの玉子だ!」と声に出ていました(笑)。よくぞパンでこの味に近づけたなぁと感心しました。形は若干違うものの、ホワイトコーティングされて見た目も近づけているし、中にはカスタードクリームと黄味あんが入っていました。冷やして食べても美味しいようですよ。売り上げの一部は、岩手県の東日本大震災の復興事業に寄付されるようです。機会がございました時は、お召し上がりになってみてくださいね。東北限定ですが…。

どちらの会社も東日本大震災時に、被害のあった会社です。

白石食品工業は、盛岡と仙台の工場がともに操業不能になりましたが、4日後には復旧させ、被災地や支援関係者へパンの供給をしました。沿岸の大船渡市が本社のさいとう製菓は、被害も大きく、本社をはじめ、三陸沿岸にある5店舗と和菓子工場が津波により全壊しました。23名の社員の自宅も津波で流されてしまいましたが、偶然にも前日に避難訓練を行い、避難経路も自宅ではなく高台の避難所に変更していたことが功を奏したのか、160人の社員は全員無事だったそうです。避難用品の備蓄もし、誰が何を持ち出すかも決めていたそうですが、着のみ着のまま逃げるだけで精いっぱいだったそうで、被害に遭った場所は、全て流され、何も残らなかったそうです。しかし、仙台や盛岡などの各店舗や物流拠点にあった在庫約30万個を「少しでも元気になっていただきたい」と、避難所や高齢者施設などへ無料配布をしました。当時、大船渡に赴任していた主人からも「どこの避難所にも『かもめの玉子』がある」と聞いておりました。あの未曽有の被害から10年、次々とチャレンジする姿は、コロナ禍の今、見習うものがあるのではないかと思います。

「かもめの玉子」は、季節限定や期間限定の物も時折販売されます。私の姑は限定品のかもめの玉子が大好きです。そろそろ、家に帰るとテーブルの上に秋限定の「栗かもめの玉子」がおかれていると思います(笑)。