南部美人フィナンシェ
今期、スポーツ界をにぎわせている一人に、二刀流どころか三刀流とも言われる大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)の大活躍がありますね。毎日、スポーツニュースが楽しみです。大谷選手の出身地は、岩手県奥州市ですが、出身校は、花巻東高校です。今でも、ひときわ背の高い高校生が、よく走っているのを見かけたことを思い出し、「あの時の高校生が、こんなに大活躍して…」と親戚のおばちゃんのような感情を抱いてしまいます(笑)。在籍はかぶりませんでしたが、同じくメジャーリーグで頑張っている菊池雄星投手(シアトル・マリナーズ)も花巻東高校の先輩にあたります。その菊池雄星投手とバッテリーを組み、甲子園で活躍した選手が、岩手県と遠く離れた三重県をつなぐ架け橋となっています。
世界遺産「熊野古道」がある三重県熊野市の洋菓子店「もんいまぁじゅ」が、岩手県二戸市の日本酒の蔵元「株式会社南部美人」の酒かすを使った、「南部美人フィナンシェ」を製造販売しています。この商品を企画したのは、花巻東高校で菊池雄星投手とバッテリーを組み、その後、国士舘大学へ進学、ヤマハで社会人野球をしていた千葉祐輔さんです。ヤマハを退社後、奥様の実家のある熊野市へ移住し、商工会議所の職員として働きながら、奥様のお父様が経営している「もんいまぁじゅ」をお手伝いしているそうです。そして、今年東日本大震災から10年に合わせ、故郷岩手の地酒「南部美人」の酒かすを使用した焼き菓子のフィナンシェを作りました。口当たりの良いしっとりした食感で、酒かすの良い香りと甘みが口の中に広がります。この商品は、売り上げの一部を震災復興となる「いわての学び希望基金(東日本大震災津波で親を失った子供たち等の「暮らし」と「学び」を支援する)」へ寄付することになっているそうです。復興の後押しと、「当時、選抜では準優勝、夏の選手権ではベスト4と甲子園で勝ち進めたのは、地元の皆さんの応援のおかげ、恩返しがしたい」と、企画をしたようです。震災から10年、いろいろな補助金等が減った中での支援は本当にありがたいことです。また、地元を離れて活躍しても、故郷に心を寄せてくれることをうれしく思います。
今年も甲子園の夏が来ます。まだまだ先の見えないコロナ禍の中ではありますが、昨年のように子供たちの夢が消えないよう、夢に向かって頑張っている子供たちが力を発揮できる場が開催されるよう、祈るばかりです。
酒かすを提供している「株式会社南部美人」については、現在、蔵(他の蔵ではありますが)から出てきた江戸時代の秘伝書に基づいた手法で、昔の日本酒を復活させるプロジェクトが進んでいるようです。次の機会にお知らせしますね。