今年も3月号は、「東日本大震災」に関して書かせていただきます。このコーナーの記事を担当している私は、毎年1月末から2月の中旬位に、当時大船渡市に単身赴任していた夫と、沿岸を訪れるようにしております。今年は、大船渡市の隣、津波により人的・物的共に甚大な被害を受けた陸前高田市の、昨年9月にオープンした「東日本大震災津波伝承館(愛称:いわてTSUNAMIメモリアル)を訪れることにいたしました。「命を守り、海と大地と共に生きる~二度と東日本大震災津波の悲しみをくり返さないために~」を展示テーマに、震災の事実と教訓を伝承し、支援への感謝と震災を乗り越えて進む姿を、国内外へ発信することを目的として建てられたそうです。この施設は、国営追悼・祈念施設や道の駅高田松原と一体となっており、現在整備を進めている高田松原津波復興祈念公園内に在ります。公園内には「奇跡の一本松」やその他の震災伝承施設も含まれます。

施設内に入ると、エントランスには、陸前高田市、3・11伝承ロード等、三陸沿岸地域の情報も掲示、展示スペースは「歴史をひもとく」「事実を知る」「教訓を学ぶ」「復興を共に進める」の4つのゾーンに分けられ、映像も多く、わかりやすい展示となっています。なんと、入場料は無料でした。

展示物には、被災した消防車両もあり、説明文に、当時の地元消防団の活躍や殉職した方々のことも…。息子が試合でお世話になったサッカー少年団の監督さんも消防団の活動で水門を閉めに行き殉職されたことを思い出し、涙がこみ上げてきました。命がけで救助活動・災害復旧・生活支援等、様々な分野で活動した公的機関・民間の方々のご苦労や思い等を、当時の映像を含めた展示で知ることができます。それを観ると、当時から現在までの事実とご尽力に、涙が止まらなくなりました。また、これからの災害時の対処・心構えなども学習することができます。1時間程観て回りましたが、時間が足りないと感じ、また訪れて、ゆっくり観たいと思っています。そして、震災は悲しくつらい出来事ではありますが、風化させず、次の世代に伝えていかなければならないことだと、改めて思いました。

建物

から海に向かって進むと、献花台のある国営追悼・祈念施設があり、犠牲になった方たちのご冥福を祈りました。

屋根続きの「道の駅高田松原」では、美味しいものがいっぱい。広田湾の海産物もあり、漁協の食堂などでは、海鮮丼をリーズナブルにお召し上がりになれます。私は、大満足でした。少しでも貢献できればと、お土産も購入し、お買い得な牡蛎は、夕食の一品になりました。鳥取県で有名な珈琲店も震災復興支援が縁で出店しています。高田松原の砂で焙煎したコーヒー豆もあります。

新型コロナウイルスの流行で、移動が難しい昨今ではございますが、折を見て、復興もまだまだ途中の三陸に、ぜひ足を運んでみて下さい。三陸鉄道も、全線復旧に向けて頑張っていますよ。