釜石線

本来であれば、今の時期は行楽にはとても良い季節。観光地は、少しずつにぎわい始めているとはいえ、新型コロナウイルスの感染も、まだまだ予断は許されません。「新しい日常」を忘れずに、感染予防をしつつ、楽しんでください。

弊社が在ります花巻市の花巻駅と「釜石鵜住居復興スタジアム」のある釜石市の釜石駅を結ぶ「JR釜石線」は、今年10月10日で全線開業70周年を迎えました。

JR釜石線は、花巻市・遠野市・住田町・釜石市をつなぐ全長約90㎞、24駅からなるローカル線です。釜石線の前身「岩手軽便鉄道」が、花巻市出身の作家・宮沢賢治が書いた「銀河鉄道の夜」のモデルと言われていることから、平成7年に「銀河ドリームライン釜石線」の愛称名がつきました。私達、地元民は、略して釜線(かません)と呼んでいますけどね(笑)。山や田園の、のどかな風景の中を走る釜石線の各駅名には、エスペラント語(100年以上前に国際共通語として考案された人工言語)で愛称がつけられており(花巻は「チェールアルコ《虹》」です)、駅名標には愛称にちなんだ絵が描かれ、駅順に横に並べると連続した一枚の絵になります(70周年の垂れ幕に描かれています)。エスペラント語は、宮沢賢治が作中で多用していたことにより使用されました。

今年はコロナ禍の影響で運行期間の短縮や運休を余儀なくされてしまいましたが、期間限定で「SL銀河」も運行される路線です(今年は運行終了。以前に紙面で紹介したことあります)。70周年の文字をテーマにデザインされたラッピング列車は、(来年の2月頃までの予定)期間限定で運行され、10月10日には、沿線市町の住民が招待されました。

花巻市は温泉があり、遠野市は民話のふるさと、住田町には賢治が愛した「種山が原」があり、ラグビーのまち・釜石市は海の幸も美味しいです。お得な、土日祝日・一日乗り放題の「いわてホリーデーパス」もございますので、沿線の市町に途中下車しながらの旅を楽しんでみてください。花巻駅近くの「なはんプラザ」壁面には「銀河鉄道の夜」をモチーフにした「からくり時計」があります。秋の夜長に「銀河鉄道の夜」を読み、からくり時計を見てから釜石線の旅を楽しむのも一興だと思います。

時々「釜石線○○駅近くで、線路内に鹿が入り込んだため、大幅に遅れています」等のアナウンスが駅構内に流れます。単線のローカル線のわりには、雪や風に強いのですが、動物には弱いようで(忌避剤散布やフェンスの設置など、いろいろ衝突防止策は実施されています)、遅延となることもございます。時間を気にせず、ゆったりとした気持ちで楽しんでいただけると幸いです(笑)。