『バンカラ応援と夜間歩行』

甲子園での熱戦が繰り広げられている中、応援している姿にも胸が熱くなりますね。

皆さま、「バンカラ応援」というのは、ご存知でしょうか?岩手県の旧制中学の公立高校6校は、今でもこの伝統を守っており、花巻にもその内の1校・花巻北高等学校があります。

破けてボロボロの学帽と継ぎ接ぎだらけでボロボロの学ランを着用した「バンカラスタイル」が、今も応援団幹部(以後、幹部と記載)と呼ばれる生徒に継承されています。登下校を含めた普段の学校生活もそのスタイルで、冬でも裸足です(一般の他の生徒は、普通の制服姿です)。応援は、和太鼓1台と声のみ。ブラスバンドの演奏はありません。校章を染め抜いた旗を振りながら、朗々と響く声で指揮をとる幹部の後に続き、生徒たちは母校の精神が染められたスクールカラーの手ぬぐいを振りながら応援歌を歌います。

高校野球の地方大会開会式の前日は、幹部と有志が会場の県営球場まで、約40㎞を13時間かけて、野球部の必勝を願い、応援歌を歌いながら歩く夜間歩行をします。3年程前からは女子生徒も参加できるようになりました(但し、女子は休憩場所の紫波まで。以前は、男子生徒のみ)。途中、2か所(石鳥谷、紫波)で保護者の皆さんが美味しいご飯を用意し、野球部の必勝と夜間歩行の無事を願います。

歩行に参加した女子生徒さんは「3年続けました。楽しい。高校の良い思い出。(バンカラ応援、厳しい応援歌練習に対して、いろいろな意見はあるが)私は、良いと思います。いい意味で緊張することができる、本気になれる、本気を出さないと浮いてしまう。何より、こんなに(叫ぶように)声を出すこともないですよね(笑)」と話していました。入学時には、入団式があり、新入生全員一人一人が、先輩たちの前で、名前と出身学校を叫び、「よろしくお願いします!」と入団します。「(緊張で)倒れてしまうのではないかと思うほど怖かったけど、先輩方に拍手をしてもらった時『受け入れてもらえた!』と感じた」そうです。卒業時には、卒業生と在校生のエール交換などを行う退団式もあり、辛かった応援歌練習も、高校生活のよき思い出の一つになります。大人から見たら、そんなことが「本気?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、その時その歳で感じることも違います。その歳にしか経験できないこと、感じる思いは宝です。担当の先生は、「今の時代に合わないというご意見もあり、保護者の方にご理解いただけないこともありますが、何度でも話し合い、すり合わせて、伝統は残していきたい」とおっしゃっていました。歴代で初の2年生団長さんは、「(やろうと思ったのは)小さい頃から見ていて親しみもあったが、伝統を受け継ぎ、次につなげたい思いが大きかった」と。なかなか、幹部を継ぐ生徒がいない今、歴代の先輩のボロボロの学ランとともに、思いも次につなげていっていただきたいと思います。私も卒業生です。いろいろなご意見もあるでしょうが、高校時代で思い出す応援歌練習や応援にまつわるエピソードも多々あり、過ぎてしまえば、懐かしい思い出です。応援歌は今でも歌えます(笑)。

機会があったら、ぜひバンカラ応援、見ていただきたいですね。