
『ひっつみ』
本当に寒くなってまいりましたね。仕事から帰り、寒い家の中に入ると、どうしても夕飯は暖かい食べ物をと考え、汁物料理も多くなりがちです。その中で、郷土食としてよく食べられているものに「ひっつみ」があります。一般的には、「すいとん」の一種とも言われ、地域によって「とってなげ」「つめり」「はっと」とも呼ばれているようです。「ひっつみ」は、小麦粉を水でこねて、手でのばしながらちぎり、鶏肉、きのこ、人参・ごぼう等の根菜、ネギやセリ等を醤油味の汁に入れて煮込んだ汁物です。汁の出汁や、中に入れる具材は、家庭やお店によっても異なり、季節によっても変わってきます。もちもちとした食感とつるんとしたのど越し、汁も美味しく、家庭であれば、親から子へ味が引き継がれている故郷の味でもあるでしょう。
「ひっつみ」の語源は、引きちぎるの方言である「引っ摘む(ひっつむ)」からきているようです。岩手のように寒い地方では、米が不作の時に米のかわりにと、小麦粉やそば粉を使った粉料理が作られ、その中で「ひっつみ」も生まれたと思われます。岩手では「ひっつみ」を食べられるお店も多く、お店の名前に「ひっつみ」(「ひっつみ亭」「ひっつみ庵」等)が入っているところもあるほど愛されています。また、単品で注文もできますが、ひっつみ定食やひっつみ御膳等、他の料理やご飯ものと一緒のメニューも多く、おにぎりや煮物やお新香、デザートもついていて、おなかがいっぱいになります。
12月3日は「ひっ(1)つ(2)み(3)」で「ひっつみの日」です。岩手県生めん協同組合によって、ひっつみのPRの為に制定されました。寒い冬には、おふくろの味、心も温まる「ひっつみ」を食べてみて下さいね。私も、今日は、ひっつみを作ろうかなぁと思います。
今年は、令和という新しい時代になり、それに伴う行事等、明るい話題も多かった一方で、自然災害による甚大な被害や消費税率の改定等、私たちの生活に密着し影響を及ぼす事柄も多くありました。振り返ってみて、今年の初めに年女の我が娘が「いのしし年は災害が多いって言われているんだよねぇ~」と話していたことを思い出します。大きな災害については、今年を最後に、これからは起こらないで欲しいと切に願います。
来年2020年は、ねずみ(子)年。干支では最初の年になります。字も「子」と書き、ねずみは子供をたくさん作ることからも、子孫繁栄の年であると考えられているようです。地域も含め国を支えているのは人です。人がいなくなっては、国が立ち行かなくなってしまいます。是非、ねずみにあやかって子孫繁栄につながる年になってほしいと思います。また、東京オリンピックもあり、経済的にも明るい年になってほしいですね。私個人的には、この世で一番苦手なのが、「ねずみ」なんですけどね(苦笑)。
今年もお世話になりました。皆様の健康づくりのお手伝いをさせていただけるよう来年も頑張ってまいります。
皆様、どうぞ、よい年をお迎え下さい。